システム工学郡の学び

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学びの目標

これまでの枠組みを超えた新たな「基盤工学」を創造

これからの「ものづくり」をトータルに追求し、未来社会の基盤構築に貢献するため、システム工学群は、2015年度より新体制に移行します。新体制の最大の特徴は、機械、航空宇宙、電子・光、建築・都市デザインに、「エネルギー」という柱を加えた点です。
ではなぜ「エネルギー」なのでしょう。道路、鉄道、電気、水道、ガスなどの都市インフラも、身の周りの家電製品や自動車から、私たちが暮らす家や町並みまで、すべてが「ものづくり」の技術によって生み出され、機能しています。しかし「もの」だけで社会を支え、動かしていくことはできません。機械を動かすにも、都市基盤を構築・維持するにも、情報通信網を活用するにも、エネルギーが不可欠です。特に原油や天然ガスなどの地下資源に恵まれない我が国では、自然エネルギーも含めた広汎かつ先駆的なエネルギー開発のための研究が強く求められているのです。
システム工学群ではこうした時代の要請に応え、「ものづくり」のメインストリームを占める5つの専攻が手を携えながら、各専攻の枠組みに過度に縛られることなく「境界領域」における技術開発を進め、より安心・安全・快適かつ環境に負荷をかけない社会づくりに貢献する新たな「基盤工学」の創造をめざします。

専攻と副専攻を組み合せ
深い専門性と幅広い視野を身につける

「ものづくり」の現場では、社会のさまざまな変化に柔軟に対応し、これまでにないコンセプトをもつ製品の開発や、新たな事業分野を創出していくことがますます重要になっています。しかし、一つの技術(分野)だけではものづくりは成り立ちません。
システム工学群では、工業技術の基盤となる機械工学、航空宇宙、電子・光工学、建築・土木工学、およびエネルギー工学の5分野すべてにまたがる基礎を身につけた後、専門性を深く追求することで、幅広い視野と深い専門性を併せ持った技術者が育つことをめざします。
これにより「ものづくり」を「システムの構築」として体系的に捉えられる視点を育むと同時に、各専攻分野の高度な専門知識を習得できる、これまでにない新しい教育プログラムとなっています。1つの領域だけを身につけるのではなく、専攻・副専攻を組み合わせることで、工学領域の幅を広げ、これからの「ものづくり」に求められる能力を身につけることができます。

近年、科学技術はめざましい進歩を遂げ、その対象はますます巨大化・複雑化しています。 これからの技術者は、専門分野に精通していることはもちろん、その周辺分野についてもある程度の知識や技術を有することが要求されます。しかし、現実には、昨今の学術分野が過度に細分化されているせいもあり、専門分野に興味関心をもつと同時に物事の全体を俯瞰することができる人材、つまり、「木を見て森も見られる」人材が育ちにくくなっています。
高知工科大学は、平成21年度、工学部5学科を改組改編して3つの学群を作りました。その一つであるシステム工学群には、機械工学分野、 電子・光工学分野、建築・土木工学分野を専門とする教員が所属しています。一見、全く異なる分野の専門家集団のように見えますが、「ものづくり」というキーワードで連携しており、広範な分野を対象としている教育研究組織です。システム工学群が提供する教育プログラム(専攻)は、上記3分野を基盤とする3つの専攻、すなわち、知能機械工学専攻、電子・光工学専攻、建築・都市デザイン専攻に加えて、分野横断型の2つの専攻、すなわち、航空宇宙工学専攻、エネルギー工学専攻の合計5つです。

このようにシステム工学群は幅広い分野を教育研究対象としていますので、入学時に自分の進みたい分野が決まっている人はもちろんですが、決まっていない人も入学後、広い分野から選択できるのがシステム工学群の特徴です。つまり入学してからいろいろな科目を勉強して、また教員や先輩・同輩と話をすることで、自分の進みたい分野を徐々に決めていくことができます。また、選択した専攻(主専攻)以外に他の専攻を副専攻として選択すれば、自身の視野がさらに広がります。

システム工学群は、社会のニーズに合った人材育成のための広範な教育環境を用意しました。つまり、学生は、周辺の専攻を身近に感じながら、自分の選んだ専攻の教育プログラムを修得することができるのです。社会の大きな変化の中にあっても、幅広い専門知識と、「木を見て森も鳥瞰できる」応用力を兼備した技術者を目指して、勉学に励んでください。